スギ花粉症の舌下免疫療法
- スギ花粉症とは
- スギ花粉症の割合
- スギ花粉症が及ぼす影響
- 代表的な花粉症原因植物の開花期
- スギ花粉症の診断
- スギ花粉症の治療
- アレルゲン免疫療法とは
- アレルゲン免疫療法の種類
- スギ花粉症の舌下免疫療法
- 治療薬の服用方法
- 服用時に避けること
- 効果を発現するメカニズム
- 期待できる効果
- 副作用
- 舌下免疫療法をご希望の方へ
はじめに~スギ花粉症にお悩みの方へ~

スギ花粉症は、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのつらいアレルギー症状を伴い、その症状によって日常生活のさまざまな場面で影響を及ぼすことがわかっています。
スギ花粉症の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。
これまでのスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は皮下に注射する「皮下免疫療法」のおくすりが登場しました。
このページでは、スギ花粉症にお悩みの方に、舌下免疫療法についてわかりやすく解説します
スギ花粉症とは

花粉症とは、植物の花粉がアレルギーとなって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状をおこす病気です。
スギ花粉症が原因(アレルゲン)となるものを、スギ花粉症といいます。
スギ花粉症の割合

アンケート調査の結果、日本人の26.5%の人がスギ花粉症であることがわかりました。
※4人に1人がスギ花粉症といえます。
スギ花粉症が及ぼす影響
さらに、スギ花粉症のつらい症状は、日常生活のさまざまな場面で影響を及ぼすことがわかっています。
- いらいら感
- 疲労
- 思考力の低下
- 睡眠障害
代表的な花粉症原因植物の開花期

スギ花粉は、春先に飛んですぎ花粉症を引きおこします。
季節によって、スギ花粉以外の植物の花粉が花粉症を引き起こすことも知られています。
- スギ:1~5月中頃
- ヒノキ:2月中頃~5月
- シラカンバ:4月中頃~6月中頃
- ハンノキ属:1月~4月
- カモガヤ・ホソムギなど(イネ科):4月中頃~11月中頃
- ブタクサ属:8月~10月
- ヨモギ属:8月~10月
- カナムグラ:8月~10月
スギ花粉症の診断

スギ花粉症は、問診と、皮膚テストや血清抗体検査などの検査結果から総合的に診断します。
問診
花粉症かその他の疾患かを判断するため、症状の出る時期や程度、花粉症以外のアレルギー歴などについて聞かれます。
スギ花粉症(アレルギー)の検査
- 皮膚テスト
スギ花粉に対する皮膚の反応を調べます。
- 血清抗体検査
血液検査をします。スギ花粉に対する抗体の量を調べます。
- 鼻鏡検査
鼻鏡と呼ばれる道具を使って鼻の粘膜を確認します。
- 鼻汁検査
鼻水を採取し、鼻汁中の好酸球を調べます。
スギ花粉症の治療
スギ花粉症の治療は、スギ花粉を避けることが基本になりますが、必要に応じて薬物療法やアレルゲン免疫療法、手術療法などを行います。
- スギ花粉(アレルゲン)の除去と回避
- アレルゲン免疫療法
- 薬物療法
- 手術療法
※舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法に分類されます。
アレルゲン免疫療法とは

アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、からだをアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。
原因となるアレルゲンを用いて行う治療法のため、原因となるアレルゲンを確定する確定診断が重要です。
- アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。
- アレルゲンを投与することから、局所や全身のアレルギー反応がおこるおそれがあり、まれに重篤な症状が発現するおそれがあります。
- 治療は長期間(3~5年)かかります。
- すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
治療期間は3~5年
アレルゲンの投与量を少量から始め、徐々に増やしていく
※長く続けるのが大切です。
アレルゲン免疫療法の種類
アレルゲン免疫療法には、「皮下免疫療法」や「舌下免疫療法」などがあります。
- 皮下免疫療法
- 舌下免疫療法
皮下免疫療法は、皮下に注射する治療法で、病院で行われます。
注射であるため痛みを伴い、さらに治療のはじめは徐々に増量するため頻回に通院が必要となります。
一方、舌下免疫療法は舌下に治療薬を投与するため、皮下免疫療法のような痛みがなく、自宅で服用できます。
しかし、服用量や服用方法、副作用に対する対応など、病院で行う皮下免疫療法と比べてより治療に対する患者さんの理解が必要な治療法です。
スギ花粉症の舌下免疫療法
スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉症と診断された12歳以上の患者さんが治療を受けることができます。
服用期間
1日1回、少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を数年にわたり継続して服用します。
初めての服用は、スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと行う必要があります。
治療薬の服用方法
治療薬を下の下に滴下し、2分間保持したあと、飲み込みます。
その後5分間はうがい・飲食を控えます。
スギ花粉が飛んでいない時期も含め、毎日服用します。
服用時に避けること

服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。
効果を発現するメカニズム
効果を発現するメカニズムは十分には解明されていません。
舌の下から入ったアレルゲン(スギ花粉)が体内で反応し、アレルギー反応を抑制する免疫反応がおこることで症状がおさえられると考えています。
期待できる効果
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善
- アレルギー治療薬の減量
- 涙目、目のかゆみの改善
- QOL(生活の質)の改善
副作用
主な副作用

- 口の中の副作用(口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れなど)
- 咽喉(のど)のかゆみ
- 耳のかゆみ
- 頭痛など
重大な副作用
- ショック
- アナフィラキシー
※アナフィラキシー
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる
※治療に対する正しい理解が必要です。
舌下免疫療法をご希望の方へ
治療を受ける前の心構え
- スギ花粉が飛散していない時期も含め、長期間の治療を受ける
- 治療薬の服用(舌の下に2分間保持)を毎日継続する
- 少なくとも1ヶ月に1度受診する
- すべての患者さんに効果を示すわけではない
- 効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性がある
- アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがある
WEBサイトでも解説しています
スギ花粉症や舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)について詳しく解説したホームページ
「トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ」
もぜひご覧ください。